読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

クラブロクラブ

自然な波に乗せられて

ゆらゆら揺れる高温の炎

その店に三番目にやってきたのは、大学の同期であり私の中では特殊な関係の友人でした。

巷では、異性との間には友情が存在するのか、という昔ながらの問いがいまだにあると思うけれど、私にとって、たぶんこの友人がそれにあたるのだろうと思います。

 

2年半ほど前に会ったのが最後でしょうか、そのあとも一度会っているかもしれませんが、時期の記憶が曖昧なのでどちらが先だったかもう今となってはわかりません。印象としては、ずいぶん落ち込んで傷ついている姿が最後のイメージとして残っています。

 

大学時代は様々なところで苦楽を共にしてきました。キラキラと輝いているような瞬間もあれば、かなり深い根っこの部分でお互いの暗い暗い闇も見てきました。前者は大勢で迎え、後者はただ二人で迎えてきたことが多かったように思います。また、卒業してからもしばらくはたまに電話がかかってきました。それはだいたいぶちまけたいときだとか、泣きたいときだとか、とても陰鬱な雰囲気でした。

 

 この日、姿を現したかと思うと明るいトーンで、ああ、久しぶりー、と言い、少し元気な感じだったので、ホッとしたというか、ちょっと高揚するものがありました。元気というよりも、どこか吹っ切れたような感じ、ひと山越えた感じ、突き抜けた感じ、という方が合っていたかもしれません。 話を聞いていても、前とは少し考え方、感じ方が変わってきているのだろうか、と思うようなこともありました。それはそれで、私は友人にとって、とてもいいことだと思って聞いていました。

 

さて、久しぶりに会ったので、友人は私のことについても尋ねてきます。私がいつものように自分のことについての質問に対しては、歯切れの悪い返答に終始していると、なに、恥ずかしいの、と聞いてきます。別に恥ずかしいとかいうことではないのですが、友人は続けて、今さら恥ずかしいことなんかあるの、ときます。

この友人にしては珍しく芯を食ったような発言にちょっと驚いてしまったのですが、たしかにそれはその通りです。

 

しばらく会っていなかったし、連絡も取っていなかったのですが、友人の中にも私は変わらずに私として残っていたことが、別に不安に思っていたわけではないのですが妙に嬉しかったのは、私にとって、とても興味深い出来事でした。