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クラブロクラブ

自然な波に乗せられて

ドタおじさんの腕時計

友人宅におじゃますると、娘の〇ちゃんとご対面です。

前に会ったのは今年のお盆のことですので、およそ3ヶ月ぶりです。その時は、はじめはかなり警戒していてこちらを覗き見ては伏せる、という繰り返しから、徐々に意気投合していったという記憶があります。

この日は私を見るや否や、友人に抱きかかえられたまま泣きに泣きました。昼寝がまだだということで友人が〇ちゃんを寝かしつけると、友人としばらく静かに話をしました。ほどなくして、寝室から泣き声が聞こえました。友人が抱いてこちらに戻ってくると、〇ちゃんはまた私を見つけて、泣きに泣きました。また寝かせて、また起きて。

 

こういうこともあるだろうとある程度は予想していたので、〇ちゃんとのコミュニケーションツールとして私がここにいる時間帯に届くように柿を送っておいたのですが、住所を間違えていて届きませんでした。予定通り届いていたらもう少し早く打ち解けていたかもしれないのですが、そうでないかもしれません。

 

さて、〇ちゃんの警戒態勢はなかなか崩れることがありません。こちらを見ては泣き、また見ては泣き、の繰り返しの中で、いったいどうしたらいいものか、私にはよくわかりません。見られたら泣かれるので、机の陰に隠れてみました。泣かなかったので、少し顔を出してみたり、また隠れてみたりしているうちに、〇ちゃんのかすかな興味を感じ取れたので、起き上がっては倒れて、という動きに移行しました。友人のサポートも手伝って、泣くところまではいかなくなりました。不思議そうにこちらを見ています。

 

しかし、ここからもうひとつ踏み出さないことには仲良くなれないと思い、次は音を鳴らす作戦に打って出ました。机を軽く叩いてみたり、コップを鳴らしてみたり。どうやらそれが見事にハマったようで、〇ちゃんは〇ちゃんで音を鳴らし始めました。私がチンチンチン、とすると、それに応えるように、チンチンチン、いや時にはチンチンチンチンチンだったりもするのですが、ともかくアクションとリアクションがリンクし始めました。

 

これを機に、私は物理的にも距離を縮めました。座っている位置を変えて、少し〇ちゃんに近づきます。音作戦は継続し、あれやこれやと鳴らすのですが、〇ちゃんの一番はコップでした。そこで、今度はコップの位置をずらすなどして〇ちゃんをおびき寄せます。それが功を奏したわけではないと思いますが、そうこうしているうちに〇ちゃんも近くにやってきたり、また友人のところに戻ったり。

 

と、今度は〇ちゃんが私の時計に興味を示しました。もうすぐ2歳になる〇ちゃんは、少ししゃべることができます。とけい、と言います。いや、おけい、かもしれません。友人曰く、〇ちゃんは時計がとても好きなのだそうです。私は時計を見せると〇ちゃんは小さなひとさし指で触ります。また時計を渡すと、しげしげと見てから、こちらに反してくれます。時計を腕につけてあげるとどことなく嬉しそうなのですが、あまりに小さな手、するりと抜けおち、すぐに返してくれました。

 

それから、ハイタッチしたり、カレーパンマンの飛び降り遊びをしたり、みかんをもらったり、隙を見て抱き寄せたり、その都度すぐに逃げられたり。

 

その様子を見た友人は、なにこの静かな会話、と言って笑っていました。

 

 

次に会うのはいつでしょうか。きっとまた一から関係を築かなければいけないのですが、親譲りのこの性格、それも楽しみです。