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クラブロクラブ

自然な波に乗せられて

がやがや、どかどか、ざわざわ

とある地方の伝統的なお祭りに行くことになりました。知人が家族で行くとのことで、私ともう1人共通の知人を誘い、また現地では知人の奥さんの友人が合流するとのことでした。

 

私はお祭りが好きではありません。人が多いのが苦手で、どのように楽しめばいいかわかりません。気乗りしないものの、こういう機会がないと行くこともないと思うので行くことに決めました。というよりも、実のところ断るのも億劫だったからかもしれません。

 

 

平日の夕方だというのに、すでに大勢の人で溢れていました。そこから夜にかけて、ますます人が増えていくこともわかっていましたので、もうすでに気が滅入っています。

 

このお祭りの象徴ともいうべき大きな飾り物が、何駅にもまたがるほど広い範囲のいたるところに飾られています。それらの飾り物はそれぞれの特徴によって名前がついていて、何も知らない私はただただ知人について歩き回り、それらを眺めてはまたついて回っていました。それぞれに特徴があると言っても、私は二つ三つ見ればもうそれで十分という程度の感性しか持ち合わせていませんでした。

 

ところどころで美味しそうなものを見つけては屋台に寄っていましたが、そもそも屋台の食べ物よりもちゃんとお店で食べるものの方がおいしいだろうことはほとんどの人がわかっていても、いざ口に出すのは憚られるというものです。

 

知人の奥さんの友人と合流するのに30分、もうひとりの知人も友人に会うというのでそれにも30分。人だかりの中から人を見つけるのは、いくら待ち合わせ場所を決めたとしても一苦労です。何が何だかわからないまま人にまみれて時間が過ぎていきます。少し気持ち悪くなりました。

 

ただ淡々と同じような光景がいたるところに現れては、また歩き、特にクライマックスを迎えるでもなく帰りの電車に乗りました。

 

 

このお祭りは1000年以上も前から続く歴史あるものです。それだけ長く続くものですから、続いていること自体に大きな価値があるのでしょう。ほとんどのお祭りがそうであるように、このお祭りも当初の開催目的と現在の開催目的は明らかに異なります。

これが文化的な活動というのなら、それ自体を楽しめない性格である以上、それに耐えうるだけの教養を身につける必要がありそうです。