クラブロクラブ

自然な波に乗せられて

伏兵の満塁ホームラン

最寄駅から球場までは歩いて20分ほどだったでしょうか。田舎の車生活にすっかり慣れてしまっている私は、普段20分も歩くことはほとんどありません。近くのコンビニにも車で行ってしまう、それがあたりまえになっています。にもかかわらず、球場までの道のりがまったく遠く感じることもなかったのは、自分でも気がつかないほど野球が楽しみだったからなのでしょうか。

 

席は最上階、5階です。子どもの頃はホームランボール欲しさに外野席が好きでした。大きくなると、迫力がある内野席。今回はたまたまもらった招待券が5階席だったのですが、望んだ席でもありました。試合を観る、プレーを観る、応援する、熱狂するというよりも、落ち着いてその空間を楽しむのには最適なのではないかと思います。私はそういう楽しみ方がすっかり馴染んでいるのです。

 

球場に着くとまずは席を探し、少し腰かけてゆっくりします。お腹もすいていたので、売店に行くついでに球場を一周しました。いくつかの種類の売店がありましたが、私はお弁当にしたいと思いながらも、まずは知人に聞いてみると、お弁当がいいということでした。お弁当を扱っている売店に行くと、思いのほかたくさんの種類が置いてありました。私も知人もたまたま同じお弁当を選びました。良いチョイスです。

 

お弁当を食べ終えたころに試合が始まりました。

野球のいいところは、真剣に見たい人にとっては一球ごとの組み立て、駆け引き、プレーの質に注目できておもしろいという一方で、気を抜いて適当に観ていても何ら支障がないというところかもしれません。平均しても3時間を超える試合時間は、子どもにとってはもちろん、大人でもずっと集中できるような時間ではありません。知人はこれまでの野球観戦で何度か寝てしまったこともあるようです。にもかかわらず来てくれたことに感謝しました。

 

知人は野球のルールをよく知りませんでした。わからないことがあると私に聞いてきます。私は詳しいというほどでもありませんが、好きなことは好きなので、一般レベルのことには答えられました。問題は、答えるほどに聞かれてもないことまで話したくなってしまう自分の性格です。

聞いてもいないことを勝手に話し続ける人、というのは、世の中にある程度の割合でいると思います。私は、それを聞くのがさほど苦痛じゃないというか、むしろどんどん話してもらいたいと思うことがよくあるのですが、一般的にはありがた迷惑なのでしょう。それは分かっているつもりです。だから自分では極力そういうことは避けたほうがいいということも頭にはあるのですが、それでもちょっと興味があるんじゃないかという態度をとられると、つい話しすぎてしまうのです。特に、知人は基本的には何でも嫌な顔一つせずに話を真面目に聞いてくれるタイプなので、むしろそれが迷惑なのかどうかがわかりにくいという側面があるのです。野球についての謎もだいぶ解明された、というわりと大袈裟な表現を使って楽しかったと言ってくれたので、せめてそれを素直に受け取ることで自分を保つ以外にありません。

 

さて、試合はというと、とてもおもしろい内容というわけではありませんでしたが、負けている場面で出場したベテラン投手の淡々としたピッチングに、今の彼の立場と投球内容とのギャップに、私はそれだけでもいいものを見たような気持ちになりました。やはり私は野球が好きなのかもしれません。

 

試合後に寄った喫茶店では、野球の話もそこそこに、思いのほかいろんな話に花が咲いてしまい、気がつけば閉店時間となっていました。

 

 

人を誘って遊びに行くことがとても苦手です。

ですが、たまにはいいかもしれません。