クラブロクラブ

自然な波に乗せられて

けんけんぱ

75歳になったばかりのその人は、大勢の前で自らが進んできた道のほんの一部を淡々と遠慮がちに時折マイクを持ったまま手振りを交えて話しました。
それがいかにその世界を大きく動かしてきたかということなど、まるで興味がないかのように。

 

私が前の会社に勤めていた時の社長であるその方は、社内向けにも外向けにも様々な言葉やメッセージを発していました。中でも私に響いた言葉の一つに、「ひたむき・謙虚・誠実」があります。仕事に限らず、生き方としてその方が実践してきたであろう、そして私もそうありたいと思うような、妙に実感のこもった言葉でした。

 

日曜の講演会が終わると、その日のうちに帰路につくものもいれば、もう1泊するものもいて、その日の夜は純度の高いメンバーだけが揃い、酒を酌み交わしました。その時間こそが今回沖縄に来た意味なのかもしれません。

 

その方は私を評して曰く、「あまり自分を出さずにじっと観察している。頑固で自分の考えや信念を持っていて、最後に決断するときはYes-Noをはっきりさせる。」

人からどう見られているかというのは、気にならないようで気になるし、気になるようで気にならないのですが、私が2本足で安定して立っているとするならば、その1本はまさにそういうことなんだろうと思います。この足によって、ともするともっと簡単にできるようなことでさえも煩わしいまでに遠回しにやっていたり、ともするとまったく他意はないことを言っているつもりでも大きく傷ついている人が出ていたり、ともするともっと近づけるはずの人たちを遠ざけてしまっていたりするかもしれません。そんなまどろっこしい性質ですが、それでもこの先もそれを大切にしていこうと思いました。

 

数日後に誕生日を控えていた私は、そこに集まった仲間から私の大好きなおもちゃをプレゼントされました。私は、それについてまったく知らない75歳のおじいちゃんを相手に、まるで大好きなおもちゃを与えられた子どものように目を輝かせながらそれについて語りました。そのおじいちゃんをして「こんな一面があったとは知らなかった」と言わしめるほどに。

 

もう一方の足をようやく見てもらえるようになったのかもしれません。