クラブロクラブ

自然な波に乗せられて

野放し

知人に勧められてやや値の張る低反発枕を買ったのは6,7年前のことだったと記憶しています。思えば長く使ってきたものです。

 

安物の寝具7点セットを買う機会があって、その中の一つ、安物の枕が手元に来たので、試しに長らく使ってきた低反発枕を温存して、低価格枕を使用してみました。厚さは10㎝くらいでしょうか、頭を預けると重みで沈み込む、という表現も似つかわしくありませんね、ペチャンコになると言った方がより近いような気がします、おそらく2,3㎝くらいになっていると思います。低反発枕とはえらい違いです。ただ、特に寝心地が悪いということもなく、そのままズルズルと使い続けてもう1年くらいになるでしょうか。振り返れば、長年悩まされてきた1ヶ月に1度程度の割合で訪れる首や肩の痛みが、枕のおかげなのかここ1年くらいは2,3ヶ月に1度程度と少なくなってきているような気がします。

 

先日、私が好んで聴いているラジオ番組(ポッドキャスト配信)で、枕の話題になりました。思いのほか枕を使っていない人がいるようだということや、玄関マット三つ折りくらいの高さが身体にいいという説など、これまでに考える機会があってもよさそうなものなのに考えてもみなかったようなことを話していました。

 

出張の際に泊まったホテルではいろんな枕の貸し出しをおこなっていたので、この機会に試してみようと思い、枕を借りることにしました。借りた枕はさほど厚くなくやや固めのものです。夜も更けてきて、そろそろ寝ようと思いベッドに入りましたが、どうも寝付けません。

枕のせいなのかはわかりませんでしたが、借りた枕をあきらめて、備え付けの枕で寝ることにしました。備え付けの枕はぶ厚くてフワフワしているものです。よし、これでいいだろう、と思い、またベッドに横になります。だめです。眠れません。

これもまた枕のせいなのかはわかりませんでしたが、思い切って枕なしにチャレンジしてみようと、枕をどけました。枕を使わずに寝るのは、ラジオ番組を聞いてから二度ほど家で試したことがあるのですが、どうもうまくいかずにいつもの枕を使ってしまっていたので、通算三度目のチャレンジです。やはり、だめでした。

もう別の枕もないし、枕なしでも寝られない。どうしようかと困っていたのですが、ふと思いつきました。バスタオル。

丁寧にバスタオルを厚さ2,3㎝程度に折りたたみ、枕代わりに使ってみます。バスタオルですので、頭を置いてもさほど沈み込むことはありません。これでどうだと言わんばかりに、頭の位置に折りたたんだバスタオルを設置し、布団に入ります。するとどうでしょう、あれだけ寝付けなかったのに、今度はすっと眠りにつくことができたのです。私にはこれくらいの高さが合っているのかもしれません。

 

今回は枕でしたが、生活の中で長く使っているために、違うものを試すことをすっかり忘れてしまっているものはまだまだありそうです。それを変えるだけで、生活がずいぶん楽になったり、豊かになったり、落ち着いたりすることはままありそうです。

必ずしも世間が良いというものが自分にも良いということではないようですし、高価なものが自分にも価値があるということではないようです。

 

 

いつか、あまり物を持たない人のような気がする、と評されたことがありますが、たしかに物欲は少ない方で、やたらめったら物を買うということはないと思いますが、こういうものが必要だなと思ったら探して買ってみるし、使ってみてダメだったらわりとあっさり捨てるし、ここがダメだったというのがわかればそれを満たすものを探して、見つかれば買います。もちろんそれもダメだったらわりとあっさり捨ててしまいます。

実際にはイメージしていたものと多少なりともギャップがあるので、体感的には買うものの2割くらいが失敗で、6割くらいは特に問題なく、2割くらいが上出来といったところでしょうか。その精度は、自分のことを知っていればいるほど上がっていくように思います。

 

そういう意味でも、自分を知ることは、きっと重要なことなのでしょう。