クラブロクラブ

自然な波に乗せられて

日があたる陰

年末に中島みゆきのライブDVDを買いました。歌旅と縁会です。

私が最も好きなミュージシャンであります。これまではCDあるいはiPodで聞いてきましたが、映像の持つ力には驚くばかりです。表情や仕草も含めて音楽であると言わんばかりに、強烈に振動するわけです。テレビ番組での様子を見たこともありますが、それとも違う、つまりはテレビの向こう側を見ているのではなく、目の前にいる人たちに向いている、この違いが極めて大きく表れているように感ずるのです。映像ですらこうなのですから、その会場にいたとしたらいったい何が伝わってくるのか、おそらく受け取りきることはできないのだろうと想像します。

 

私は長いこと音楽方面への興味関心が極めて薄く、当然知識も乏しければセンスもなく、常識すらありません。それでも幼いころに親の車で聞いた音楽というのは不思議なもので、今もなお好きでいたりします。それは谷村新司であり、さだまさしであり、井上陽水であり、高橋真梨子であり、ビートルズであったりするわけですが、私がはじめて(そして今のところ唯一)体験したコンサートは、井上陽水の「Hello,Goodbye」というツアーでした。

ツアー名はご存じの通りビートルズの名曲からとったものでありまして、井上陽水が学生時代に影響を受けたとのことで、私は一時期その曲が収録されたビートルズのCDをよく聞いていたこともあったため、一層の興味を持ってそのコンサートに出かけました。

井上陽水自身の名曲も数知れず、私のお気に入りの曲も含め、また合間の独特の話術にも引き込まれ、実に素晴らしい時間がすぎていたのですが、半ば過ぎくらいだったでしょうか、Hello,Goodbyeが演奏されました。本人の曲以外のものは、このコンサートを通じてこの1曲のみだったと思います。しかし、このコンサートの中で最も印象的な1曲になりました。かっこいいとはこういうことなのかと、少しだけわかったような気がしました。

 

 

久しぶりに会う友人には、変わらないねと言われます。

ごくまれに、少し大人になったねと言われます。

 

感情が突き動かされることはもうほとんどありません。

本当にいいと思うものだけが沁みこみさえすれば、それで満足です。