以後お見知りおきを
何かを発表するときには、いつも緊張します。
緊張を和らげる唯一の術は事前の練習です。
繰り返し繰り返し、これでもかというくらいに練習して、練習して、練習して、そうしてようやくほんの少しだけ緊張が和らぎます。
友人代表スピーチ、とても緊張することになるだろうと思っていました。(「イントロクイズ」参照)
原稿が出来上がってから、実際に声に出して読んでみたのは、前々日に一回、前日に一回。
話しやすい言葉づかいに直して、あっさりと練習を終えました。
にもかかわらず、なぜだかいっこうに緊張してきません。
練習量は成功パターンに比べると圧倒的に不足していて、それを自覚しているのに不安になりません。
なんとなく、うまくいくだろうという予感がありました。
当日、会場には誰より早く到着しました。
しばらくして、続々と懐かしい仲間が集まってきます。
自然とソワソワしてきます。でも、緊張はしません。
式はスマートでした。
披露宴はいきなり二人の色に満ちていて、少し心配になるほどでした。
序盤にして見どころ満載の中、係の方がスピーチの前に説明にやってきました。
スピーチの後の出し物に参加するメンバーは、準備のためスピーチの時には席にいないと。
スピーチを盛り上げてもらいたかったメンバーがことごとく出し物の参加者という。
計算外のできごとで若干動揺しながらも、その役割を残された私の席の両隣の仲間に託して、いよいよです。
マイクの前に立つと、自然といつものように震えていました。
でも、身体は緊張していても、心は落ち着いていました。
はじめのアクションとおわりの言葉を付け加えて、あとはきっちり原稿通り。
笑いどころも、笑わないところも、ほとんど予想通りに、予想よりいくらかたくさんの笑いとともに進んでいきました。
手ごたえと充実感がありました。
二人が大いに喜んだであろうことは、わざわざ確認しなくてもわかります。
友人からも、二人のご家族からも、初対面の方からも、様々な声をかけていただきました。
これが二人と私との関係なのだと、皆さんに伝えることができました。
二人がプロデュースした様々な演出や友人たちの出し物、挨拶や音楽、すべてが本当に素晴らしい、二人らしいものでした。
全体を通して、とても楽しく、とても幸せな時間となりました。
その素晴らしい時間の一つのピースを担えたこと、本当によかった。