読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

クラブロクラブ

自然な波に乗せられて

二段熟成

友人二人の結婚式に友人代表スピーチを行うことになりました。(「カウンター」参照)

依頼があったのは結婚式の半年以上も前のことです。

 

しばらくして、ふと、下書きでもしてみようかと思い立ちました。

何を話したら二人が喜んでくれるだろうかと思いを巡らせます。

 

まず第一に、本人たちに何を伝えることができるのか。

第二に、会場にいる多くの人たちにも楽しんでもらうにはどうしたらいいか。

 

 

二人とは想い出がたくさんある、というよりも、同じ日、同じ時を過ごしてきました。

わざわざ人様の前で私から二人に伝えなければならないようなことは特にありません。

きっとそれはいつでもできることなんです。

それに、二人は私がスピーチをするということだけで、何かを伝えようとしなくても何かを感じ取ってくれる。それだけは間違いないことだと思います。

「自分らしく成功も、自分らしく失敗も喜んでくれる。大事な友人が喜んでくれる、そのこと以外にあなたが話す意味はない。」そう後押ししてくれた友人です。

とすれば、実にシンプルです。

「二人を題材にして会場の人たちを楽しませる」こと、これを「私らしく」行えばいいのだと気づきます。

 

 

「笑い」と「感動」というのが一つのスピーチの理想だと思います。「笑い」をベースに盛り上げていって、最後に「感動」で締める。このギャップが良いわけです。

これはスピーチに限ったことではなく、披露宴全体にも当てはまるのでしょう。

さて、そう考えますと、披露宴の構成上、序盤にやってくる友人代表スピーチ、これは全体のなかでの位置づけを考えるならば、「笑い」が強めのパート、「笑い」のベースをつくり盛り上げていく役割なのではないかと思うわけです。

そうして方向性はだいたい決まっていきました。


はじめの形式的な挨拶を実に形式的に行うことから始まり、新郎・新婦それぞれの一般的な印象も含めた私が知る二人の人となりを軸に、そこから笑いに展開していきましょう。

私が得意な笑いや好きな笑いを取り入れながら、内輪ネタになりがちな部分も抽象度を高めて多くの人が実感できるようにしつつ、本当に一部の人にしか伝わらないであろう小ネタももちろん仕込んでおきます。それでもって、なんとなく二人にも伝わるような。

二人のことも私のこともよく知っている共通の仲間たちが多く集まることが予想されており、そういう人たちの期待にもこたえながら、二人の職場の方々やほかの友人たちには知られていないような二人の一面を垣間見させつつ、親族のみなさんには、二人のことをよくわかっている友人がいるということが伝わるような。

そんなスピーチにしたくて。


下書きをはじめて、一つの問題が発生しました。

新郎の話、新婦の話、それぞれをつくってから合わせていこうと思ったのですが、それぞれコンパクトにまとめたつもりなのに、それぞれの話でおよそスピーチの持ち時間と思われる時間に達してしまいそうなボリューム感になってしまいました。

それはそうなんです。

普通は新郎には新郎の友人が、新婦には新婦の友人が話すわけで、一度に新郎についても新婦についても話してしまおうというのはいささかよくばりです。

二人の友人である私が同じ持ち時間で二人分話すというのはもともと無理があるのです。


二人分の原稿を書き終えて、しばらく寝かせることにしました。